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高速道路追突事故の被告、初めて謝罪(12/03/14)
 昨年、高知から東京に向かう高知通運の長距離トラックが東京都内の高速道路上で家族づれの乗用車に追突するという事故があった。追突された乗用車は炎上し、後部座席に乗っていた幼女二人が焼け死んだ。前席に乗っていた両親は負傷したものの命に別状はなかった。

 追突された直後、家族四人全員生きていた。意識もあった。しかし、後部座席は激しくつぶれており、すぐに子供を救出することができない。ほどなく車体後部から出火し、幼い子供は両親の目の前で焼け死んだ。両親は子供の「アチョイーーー」というという言葉が耳から離れないそうである。

 その時、追突した高知通運の運転手は真っ直ぐ歩けないほど泥酔していたということだ。駆けつけた警察官に対しても「まあ、ええじゃないか。」と言っていたそうである。

 この高知通運の運転手はウイスキーや焼酎を運転席に持ち込んで、それを飲みながら運転していた。彼は飲酒運転が常習化しており、彼の会社もその事をうすうす知っていたらしい。

 この事件の公判で、被告は初めて被害者に謝罪したという。被告の妻も出廷し、「お父ちゃん(被告の事)、罪を償って」と証言したという。

 彼の起訴されている罪状は、「業務上過失致死」と「道路交通法違反(飲酒運転)」の二つである。いずれも事実関係では争われないので、罪の大きい「業務上過失致死」がメインの罪となる。

(業務上過失致死傷等)
第二百十一条 
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。


 つまり、この男はどんなに厳しい判決が出ても最長で5年しか豚箱に入らないのである。

 以前、ある二十代の男が無免許で飲酒運転し、かつ制限速度を30キロ以上オーバーして歩道にいた車椅子の老人とそれを介護していたその友人とを跳ね飛ばし、そのまま現場から逃走するという事件が発生した。跳ねられた二人は、一人は即死、もう一人はその後病院で死亡した。

 この男の罪は「業務上過失致死」「飲酒運転」「無免許運転」「速度超過」「ひき逃げ」であり、この中で一番罪の重い「業務上過失致死」で裁かれることになったのだが、下された判決は懲役4年7ヶ月。

 あまりにも刑が軽すぎはしないだろうか。ただの不注意で轢き殺したというわけではなく、明らかにこの事故の原因は「飲酒」と「速度超過」と「無免許運転」である。しかもい、救護義務を放棄して現場から逃げている。これらの原因は果たして「過失」なのであろうか。

過失 ----- あやまち。しくじり。
あやまち ----- 物事のしそこない。思いがけずしでかした悪いこと。

「岩波国語辞典」より

 岩波国語辞典によれば、どうやらこれらが「過失」にあたるかどうかは疑わしい。「飲酒」はもちろん「故意」であり、「速度超過」も「無免許運転」ももちろん「故意」である。

 つまり、彼らは事故を起こす危険性を認識しながら「故意」に飲酒や速度超過を行い、人を殺している。自動車で事故が起きれば相手を殺してしまう可能性があるということは「常識」だ。彼らは人を殺す可能性を認識しながらも、「故意」によって事故を誘発し、実際に人を殺している。

 現在の法律では、人が死ぬかもしれないと認識しながら行った行動によって人が死んだ場合には殺人に問える場合がある。上記のいずれも、十分に殺人事件として立件できるのではないか。もしできないのだとすれば、あまりにも刑罰が甘すぎる。通常の業務上過失致死より重い刑罰を創設すべきである。

 たとえば、「法令違反を伴う業務上過失致死罪」というような法律を作る。業務を行っているときに法令違反を犯し、その法令違反が直接的間接的原因となって人を死なせてしまった場合には、より重い罪に処すというようなものだ。上記二件はこれにあたる。刑罰も7年以上、もしくは無期懲役と厳しくしてはどうか。

 現在のように、酒気帯運転で捕まっても免停で済み(しかも、初回なら通常一日)、何回も捕まらなければ逮捕されれないのであれば、誰かが犠牲になるまで飲酒運転をやめることはないのではないか。今回の運転手がそうであったように。

 また、最初の事故で犠牲になった幼女の損害賠償金が果たして払われるのかどうかも不安である。乗用車であれば通常対人無制限の任意保険に入っている。その場合であれば何人轢き殺そうとその損害に関しては保険から支払われる。しかし、運送会社のトラックは通常任意保険に入ってはいないのである。

 理由は一つ。保険の掛け金が高いからである。保険会社の任意保険に入るよりも、いざ事故が起きたときに会社内の経理負担で支払ったほうが安くつく場合が多いのだ。特に大きな運送会社ほどその傾向がつよい。しかし、今回の事故を起こした高知の運送会社はそれほど大きい会社ではないようである。(※訂正。高知通運は大きい会社でした。)もしかすると支払能力がないかもしれない。賠償裁判の行方にもよるがもしかすると、多額の賠償命令が下されてもその金額を支払えず、会社資産の差し押さえなどが発生し、会社倒産ということにもなりかねない。そうなると、その会社で働いていた社員のほとんどが路頭に迷うことになる。

 いずれにせよ、年間一万人も交通事故で死亡し、その中のかなりの人数が全く過失がないにもかかわらず死んでいる。しかも、事故を起こせば、被害者加害者の当事者はもちろん、その周りの人々にも大きな迷惑をかけてしまう。にもかかわらず、刑罰が最大でも懲役五年というのはどう考えても軽すぎる。

 上記のような極悪なケースの場合、もっと重い刑事罰を切に願う。

 


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